ソウル中心部から北西へ約11kmに韓国最大の電子部品の市場、“九老”(グロ・Guro)があります。大型商業施設LOTTE Martやプロ野球チーム、ネクセンヒーローズの本拠地・高尺(コチョク)スカイドーム、九老機械工具商業団地などが隣接。韓国最大の電子部品街“九老”は、低層で頑丈なつくりで巨大要塞を連想させます。
“九老”とは
正式名称は中央流通団地、通称:九老。日本の半導体業界では、アルファベットの“Guro”の方が馴染みがあると思います。
タイロテッカーは “トリプルC”と呼んでいます。英語名称“Choongang Circulation Complex”の頭文字が由来です。誰かがスーパチャンピオン・ゴロフキンの愛称GGGを捩ったと勝手に推測しています。
敷地面積は76,126㎡、延床面積308,702㎡。東京ドーム6個分以上と広大です。
カ棟、ナ棟、タ棟、パ棟、マ棟、ラ棟の6棟が碁盤の目のように並び、計4,148店(2017年)の商店やオフィスが入居。主に機械工具、産業用品、電気、電子、コンピューター用品などを扱い、多くの人が働いています。金融機関、食堂、コンビニ、病院、薬局など生活に欠かせない施設も併設され、ほとんど街と言っていいでしょう。モーターやケーブルなどの荷重商品を扱う店が1階に構え、電子部品や半導体など小物を取り扱う店が上層階に鎮座しています。6棟は3階の連絡通路で全て結ばれており、非常に機能的な設計になっています。(一部2階と4階にも連絡通路あり)
その始まり&なるほどの信用調査
1980年代初頭、韓国唯一の電子部品街であった鍾路(チョンノ)マーケットは、老朽化で物流や防災など多くの問題を抱えていました。
1984年、マーケットの人々が自ら問題解決を図るために新たな組合を結成。九老流通団地計画(移転計画)を立案し、政府認可を採りつけます。
1993年に着工、1996年に中央流通団地が完成します。構想から12年の時を経て、当時アジア最大の電子部品街“トリプルC” が動きだしました。
以前、先輩の堀江さんからユニークなアドバイスをもらったことがあります。
「慎也さ、トリプルCの会社を見分ける方法があるんだよ?あの要塞は、どの棟も三階で繋がっているだろ。だから利便性の良い3階の賃料が高いんだ。イコール!住所が3階の会社は、優良企業と解釈することもできる。4階から3階へ引っ越した会社は、いい感じ。逆に3階から2階へ移転した場合は要注意。ま、一つのアラートだな。」
フロアが信用調査になると教えてくれたのです。実際に歩いてみると確かに3階は、キャリーカート片手に忙しなく動き回っている人が多い、一番活気のあるフロアです。兄貴のユニークな仮説もあながち間違ってないかも・・・。ふと、くだらない思いが過ってしまいました。
“九老”は、近代的な流通システムと豊富な在庫を持つ、世界トップクラスと電子部品マーケットです。
半導体グループ 植木慎也
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