半導体デバイス・電子部品

取引先インタビュー

恩を受けしは、石に刻むべし

Woo Jin Electronics社
社長 全 輔光 Jeon Woo Jun
Woo Jin Electronics社について

Woo Jin Electoronics社は、韓国ソウル市内の鐘路(チョンノ)マーケットにて、半導体や電子部品の販売を行っている商社です。1989年に創業し、まもなく30周年を迎える歴史ある会社。IC、トランジスタ、コンデンサ、コネクタ、スイッチ、LEDなど10,000点以上の自社在庫を保有し、主要取引先は韓国内で500社程度。取り扱いメーカは、韓国・日本・台湾など東アジアの大手メーカが中心。製造中止品からRoHS対応品まで幅広い年代の部品を揃えているのが特徴です。部品の購入ルートは、多彩ですが殆どのメーカが正規ルートで仕入れています。日本の流通市場では、あまり知られてはいない“知る人ぞ知る”実力派Woo Jin Eleをシェルパ植木がレポートさせていただきます。

衝撃のオリジナル・パッケージ

衝撃のオリジナル・パッケージ 「ねぇタックン、この部品どこから仕入れたの?」

「韓国でぇ~す。2日前に注文して午前中のFEDEX便で届きました。」

「25年以上前のCMOSじゃないか。しかもオリジナル未開封品。タックンより一歳年下だけど劣化がない。」

「僕の肌は、まだピチピチですよ。SK-Ⅱ(化粧水)とかした方が良いのかな?ランチタイムにMariaに教えてもらおっと」

「キモイよ、タックン。ところで最近韓国に帰ってないだろ?家族にも顔見せた方が良いと思うよ。有給休暇を消化しないと下島さんうるさいし、休みがてら韓国の仕入先でも覗きに行こうぜ。
仕事絡めれば、飛行機代ぐらい出してもらえるしさ。ね、行こうよ。」

「分かりました植木さん。では海外渡航の稟議と有休申請は、私の方で作成し連名で提出しておきます。」

さすがタイロテックの優等生タックン。とても優しくて気が利く。

半導体業界に入って7年目。こんな商品が流通市場で簡単に手に入るなんて!ぼくは心の中で衝撃を受けていた。己の好奇心と激辛への欲求を満たすため、半ば強引に同僚のタックンを道連れにすることにしたのだ。


迷路にハマりまくるタックン

迷路にハマりまくるタックン 2017年9月中旬、金浦(キンポ)国際空港に降り立つと、ソウルの強い日差しが我々を迎えてくれた。早速、Woo Jin Electronics社を探すべくタクシーへ滑り込んだ。住所が書いてあるメモを取り出し、探偵気取りで「テリョダ・チュセヨ」と言ってみたが無反応。落ち込む横から流暢なハングルでタックンが運転手さんに指示を出していた。辿り着いたのは、繁華街で有名な明洞(ミョンドン)から北東へ約2Kmの場所にある電子部品専門街の鐘路(チョンノ)マーケット。ひとたび路地に入ってしまえば、まるで巨大迷路のような複雑な構成。人が辛うじてすれ違うことができる細い路地の奥に、目的の会社を見つけた。恐る恐るドアを開けると、少し日焼けした紳士が驚いた様子でこちらを見ている。彼は、アポなしの訪問にも笑顔で歓迎してくれた。

右の画は、路地で迷い思わず苦笑するタックン


Woo Jin Electoronics社の歴史

Woo Jin Electoronics社の歴史 突然現れた男二人。絶対怪しまれると思ったので、速攻

「我々は、日本のタイロテックの者です。グループ全体からも承認を受けた、いっぱしのタイロテッカーでござる。アッシの名は、慎也、こっちはタックンと申します。韓国の半導体業界を勉強しに来やした。いろいろお話をお聞きしたいのですがお時間よろしいでしょうか?」

タックンの通訳を挟むので口上を述べるにも大分時間がかかるが、社長は最初の3秒から笑いこけている。

社長の名は全(ゼン)氏。1989年、この地にWOO JIN ELECTRONICS社を開業。現在54歳の全社長は、二十歳を過ぎた頃に知人の紹介で鐘路(チョンノ)マーケットへやってきた。20年前には日本語の勉強をして、日本メーカの輸入代理店をしていた実績もある。店舗側は、3坪にも満たない。その中に電子部品が詰め込まれている。在庫は店舗以外に二階と奥に倉庫も持っているそうだ。
素知らぬ顔で仕入元を聞いて見たが、流石に教えてくれなかった。

全社長は笑顔で「基本は正規ルートだよ。ちゃんとした部品を仕入ないとね。お客様に迷惑をかけてはいけないからね。」と付け加えた

Woo Jin Electoronics社がある鐘路(チョンノ)マーケットは、かつて韓国最大の電子部品市場であったという。全盛期は一万店舖以上がひしめき合っていたが、政府指導で多くの店が新たな工業団地へ移転していった。


まるで忍者屋敷

まるで忍者屋敷 その歴史を物語るかのような貴重な80年代の半導体を見せてくれるという。

「チョグム キダリョ」(ちと、待ってな)

と言って右わきに置いてあったクレーン制御ボタンを押した。
何故ここに?クレーンのボタン?タックンと目を合わせて驚いていると轟音と共に天井の一部が下りてきた。簡易エレベータである。このエレベータが二階や隣の倉庫への唯一の入り口だそうだ。まるで忍者屋敷のようである。いや、中国・深センの怪しいブランドショップ?もっと良い例えが、、、スーパー歌舞伎の舞台裏のようだ。2分後全社長がアルミパックを片手に天から舞降りてきた。GEのパワー半導体は、真空パックでメーカラベルも当時のまま。とても30年以上前のものとは思えない状態である。「これがビンテージ・ジーンズなら$10,000以上するだろうな」などと見当違いな思案をしながら改めてこの会社の実力を思い知った。


恩義や出会いを大切に

恩義や出会いを大切に 全社長の信条は、「懸情流水 受恩刻石」。情を懸けしは、水に流し、恩を受けしは、石に刻むべし。社長は、恩義や出会いを大切にして仕事を続けてきたそうだ。我々も恩義や出会いを大切にして仕事を続けていくようにと、北漢山を眺めながら静かに進言してくれた。

「日本にも近い意味で『一宿一飯の恩義』という言葉を使うことがあります。」

と説明すると、僕たちは、自然と満面の笑み浮かべ、そして見つめ合い、熱い・熱い握手を交わした。義理の兄貴が出来たみたいで、ちょっと嬉しかった。

お礼を言い会社を後にしようとした我々に「近くに辛くて美味しいタコ料理があるよ。食べた事あるかい?付いておいで。」と声をかけてくれた。ソウル出身のタックンも辛さに悶絶するナクチポックン。顔色一つ変えずに食べる全社長を見ていると、創業から四半世紀、電子部品業界に対する情熱の火はまだまだ消えていない。この激辛のナクチポックンの赤のように燃えているはず。韓国の半導体市場の実力と情熱に驚いた訪問となりました。


担当者からの一言

滞在時間43時間、まさに弾丸ツアーでしたが、優しい兄貴が出来たし、美味しい物沢山ご馳走してもらったし、観光までガッツリやらせて頂きました。会社の経費をこんな風に使っちゃっていいのかな?とも思いましたが「いい――んです!」何よりもお金では買うことができない“大切な絆”を手に入れたのですから。そうPRICELESS!

 

 

でもちょっと気になったことが・・・。空港の免税店でタックンが「SK-Ⅱありますか?」と定員に聞いていたのを耳にしてしまいました。お土産ならいいのですが・・・。

ちなみに、私は来週からアメリカ合衆国へ一週間出かけてきます。100%遊びです。有給休暇の消化は、義務みたいなものですからね。みんなの見本になれる様、これからも旅を続けようと思います。

 

半導体事業部 植木慎也

ぼくは、Annaに頼まれてSK-Ⅱを買っただけです!それとアンドリューさんは、今期すでに有給休暇を使い果たし、プラスで5日も欠勤していることはみんな知ってますよ。有給休暇の未消化を気にする前に、セールス・ターゲットの未達の原因を探るべきだと思います。御託を並べず、早く帰って来てください。

半導体事業部 オー・ユータク





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